当院では、大腸カメラによる大腸内視鏡検査の際に、大腸ポリープや早期大腸がんが発見された場合は、日帰りでのポリープ切除を行っています。
大腸ポリープ(腺腫)はそのまま放置すると大腸がん(腺癌)に進行してしまうため、ポリープを切除することで大腸がんの発症率を抑えることができます。
小さい大腸ポリープは自覚症状を伴わないため、気付くことなく大きくなり、進行がんになります。進行がんは粘膜下層よりも下まで浸潤しており、また他臓器やリンパ節へ転移していることが考えられ、内視鏡での切除は困難となります。このため、大腸ポリープが大腸がんに進行する前や大腸がんが粘膜下層まで浸潤する前の段階で切除ことが勧められています。
検査中、ポリープが見つかれば、そのままそのポリープを切除いたします。日帰りによる手術になりますので、切除後はお帰りいただきます。
切除は、大きさ15㎜以下のポリープで、抗血栓薬(血液をサラサラにするお薬)を内服していない方に行います。また、外来切除ですので1回の検査で取れるポリープの数は5個程度となります。5個以上ポリープがある場合は後日に時期を分けて切除を行います。内視鏡的ポリープ切除術(コールドポリペクトミー)や内視鏡的粘膜切除術(EMR)を行い切除創部が大きい場合にはクリップを用いた縫縮術などもを行います。
15㎜以上の大きなポリープがあった場合や抗血栓薬(血液をサラサラにするお薬)を内服している場合は、その場でポリープを切除することはできません。入院可能な施設をご紹介させていただきます。
大腸ポリープ切除を行った患者様は、ポリープの切除後も別の部位にポリープが出来ることがありますので、フォローアップが必要となります。特に、切除したポリープに一部がん化していた場合などは、厳重な経過観察が必要となります。外来で相談させていただきながら、半年や年1回の定期検査をさせていただきます。
切除可能と判断した病変は、コールドポリペクトミーやEMRにて切除いたします。
コールドポリペクトミーの適応は、安全面から10mm以下の大きくないポリープに対して近年主流になった切除方法です。
今までは大腸ポリープを高周波の電流を流し電気メスで焼切り、出血を防ぐためにクリッピングなどを行っておりました。高周波の電流を使用しますので切除した部分は傷も大きくなりますし、偶発症(出血、穿孔)を生じることもあります。
コールドポリペクトミーは高周波の電流を使用せず、大腸の粘膜を切除する方法です。コールドポリペクトミーにはCFPとCSPという方法があります。CFP(Cold forceps polypectomy)とは鉗子を用いてポリープを切除する方法でCSP(Cold snare polypectomy)とはスネアというリング状の電気メスを用いて切除する方法です。切除時には出血がみられますが、すぐに止血します。基本的に粘膜のみの切除ですので、傷の治りも早く、切除後の出血や穿孔の危険性もほとんどありません。
血液をサラサラにする薬を服用していても、粘膜下層にある太い血管を傷つけることがないので、切除後の出血の危険性は極めて低いとされています。また、非通電のため心臓ペースメーカーや金属を体内に留置している方でも安全に切除できる方法です。
10mm以上のポリープを切除するための方法です。
ポリープの下の粘膜下層に生理食塩水を注入し、ポリープを持ち上げ切除します。切除時にはスネアというリング状の電気メスを用いて、通電しながら粘膜を縛り上げながら切除していきます。
ポリープを切除した場合に、少量便に血液が混じる場合があります。ほとんどの場合、自然に止血されますので、安静にして様子を見ていただければ軽快いたします。
しかし、出血が大量の場合(便全体が血液であるとき)には再度大腸内視鏡で切除部分にクリップを用いた止血術を追加する必要があります。出血があった場合にはご連絡ください。
ポリープ切除は外科的に開腹することなく、痛みもないため、簡単に考えられる方が多いですが、病変部を切除することに変わりはありません。ポリープの大きさ・形状・ポリープ内の血管の状態などによっては、出血や穿孔等の合併症が発生する可能性はゼロではありません。術後の出血や遅発性穿孔を防ぐため、切除治療後は強い腹圧がかかる動きや姿勢に十分ご注意ください。
日帰りでのポリープ切除は、出血などの合併症が生じないよう、また、生じた場合でもすぐに対処・治療できるよう、ご本人もある程度の生活制限の条件を守っていただくことが必要となります。合併症を防ぐためにも、下記のことにご注意下さい。
診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日祝 |
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12:00〜13:30 | / | / | / | ||||
15:00〜18:30 | / | / | / |
外来+内視鏡+超音波
外来
大腸内視鏡検査のみ
休診日:木曜・日曜・祝日